AIに下書きを作ってもらったとき、「なんとなくAIっぽい」と感じることはありませんか。
文法的な間違いや誤字があるわけではないので、具体的にどこを直せばいいのか迷ってしまうこともあります。
結局、全文を読み返しては修正する作業を繰り返し、気づけば元の文章がほとんど残っていない、ということもあります。
そこで今回は、実際に生成AI(ChatGPT)に30本の記事を書かせ、「AIっぽい」と感じる文章には、どのような書き方が繰り返し現れるのかを調べてみました。
その結果をもとに、まず見直したい「3つの要素」を紹介します。
AIっぽく見える3つの主要要素
AIっぽさの説明として、よく出てくるのが次の言葉です。
- 「無機質」
- 「テンプレート的」
- 「AI臭がする」
どれもAIっぽさを表す言い方ですが、感覚的な表現です。
この「AIっぽさ」の正体を探るため、生成した30本の記事を比較しました。
ここからは、その結果見えてきた特徴を紹介します。
要素① 汎用的な抽象表現

業務テーマの記事20本では、抽象語や万能語を含む文が約3文に1文ありました。
測定に使った記事に、次の2文がありました。
AIが書いた文
月次レポート作成を効率化するポイントは、単純に作業スピードを上げることではありません。
大切なのは、毎月繰り返している単純作業をできるだけ減らし、数字を見て「なぜ変化したのか」「次に何をするべきか」を考える時間を増やすことです。
誤字脱字はなく、文法も正しいのですが、何をどうするのかが最後まで具体的になりません。
抽象表現が続くと、読者が具体的な場面をイメージしにくくなります。
抽象的な表現をさけて書き換えると次のようになります。
書き直し案
月次レポート作成でまずやめるのは、転記とグラフの作り直しです。
データはCSVで書き出し、貼り付けるだけで集計が更新される形にします。グラフは参照するセル範囲を固定します。
転記とグラフの作り直しがなくなると、毎月の作業はCSVの書き出し・貼り付けとコメント作成に絞れます。空いた時間は、数字が動いた理由を1行書くことに利用できます。
抽象的な言葉を使わずに書いた文です。
AIが「効率化」「大切なのは」を使っていた箇所には、具体的な作業名が入っています。
要素② なくても意味が通る接続詞

業務テーマの記事20本では、約4文に1文で文頭に接続詞が使われていました。
接続詞や指示代名詞が入っている文です。
AIが書いた文
一度「この数字は意思決定に使われているか」という視点で掲載項目を見直してみましょう。
たとえば営業部門であれば、売上高だけでなく、商談数や受注率、平均受注単価などが重要になるかもしれません。
一方、毎月確認しているものの、その後の判断や行動につながっていない数字であれば、思い切って削除することも検討できます。
書き直し案
一度「数字が意思決定に使われているか」という視点で掲載項目を見直してみましょう。
営業部門であれば、売上高だけでなく、商談数や受注率、平均受注単価なども重要になります。
毎月確認しているものの、判断や行動につながっていない数字であれば、思い切った削除も検討できます。
書き直し案では、文頭の接続詞を削除しています。
あわせて、「この」「その」といった指示代名詞も、なくても何を指しているかわかる場合は削除しました。
指示代名詞そのものがAIっぽいわけではありません。ただ、接続詞と同じように、意味を補う必要がない場所まで入ると、まわりくどく見えます。
要素③ 1文に情報を詰め込みすぎる

読点でつなぎながら、1つの文に複数の動作や条件、結果が入っている文です。
AIが書いた文
販売管理システムから売上データを出力し、アクセス解析ツールからWebサイトの数字を取得し、それぞれ手作業でコピーしている場合、作業量が増えるだけでなく入力ミスの原因にもなります。
書き直し案
レポート作成で、次のように複数のシステムやツールからデータを集める必要があったとします。
- 販売管理システムから売上データを出力する
- アクセス解析ツールからWebサイトの数字を取得する
こうしたデータを手作業でコピーしていると、作業量が増えるだけでなく、入力ミスの原因にもなります。
入っている内容は5つあります。
- 動作1:売上データを出力する
- 動作2:Webサイトの数字を取得する
- 条件:手作業でコピーしている
- 結果1:作業量が増える
- 結果2:入力ミスが起きる
前半に複数の動作と条件があり、そのあとに2つの結果が置かれています。
情報を1文に詰め込んでいるため、動作・条件・結果の関係をつかみにくくなります。
補足:テーマによって増える「ぼかした言い方」
3つの要素とは別に、言い切るのを避ける表現も見つかりました。
ただし、この表現はテーマによって出方が大きく変わっています。
AIが書いた文
しかし、中小企業ではレポート作成だけを担当する専任スタッフがいるケースは少なく、「通常業務と並行してレポートを作っている」という方も多いのではないでしょうか。
書き直し案
レポート作成の専任スタッフを置いていない会社では、担当者が通常業務と並行してレポートを作成します。
この文では「ケースは少なく」「多いのではないでしょうか」と、実態をぼかす表現が続いています。
こうした表現はAIが常に使うわけではありませんが、今回の30記事では、読者の悩みを提示するテーマで出やすくなりました。
根拠がなければ、割合や傾向を推測するのではなく、実際の状況や条件に置き換えてみてください。
抽象表現・接続詞・情報を詰め込んだ文が出る背景

今回の30記事では、テーマ・読者・文字数・見出しだけを指定して文章を生成しました。
抽象表現・接続詞・情報を詰め込んだ文が出た背景として考えられることをまとめました。
抽象表現が増える背景
AIは、こちらが伝えていない記事固有の事実や数字まではわかりません。
たとえば「月次レポートを短時間で作る方法」というテーマだけを与えても、実際に何時間かかっているのか、どの作業に時間がかかっているのかまではわかりません。
今回のように記事固有の事実や数字を与えない条件では、「重要です」など、多くの場面で使える言葉が繰り返し使われていました。
抽象表現を減らしたい場合は、作業時間や実際の手順、経験した事例などを先にAIへ渡しておきましょう。
接続詞が増える背景
接続詞は、文と文の関係を明確にするために使います。
文同士の関係を明示しながら説明しようとすると、必要以上に接続詞が入りやすくなると考えられます。
今回の生成文では、「また」「さらに」「一方」「そのため」などの文頭接続詞が多く見つかりました。
一つひとつは間違いではありませんが、前後の文だけで関係がわかる場所にも入ると冗長に見えます。
生成後に「接続詞をすべて消す」のではなく、削っても意味が変わらないものだけを外すと自然になります。
1文に情報が集まりやすい背景
AIは、関連する情報を一つの文にまとめて説明することがあります。
特に「Aをして、Bをして、その結果Cになる」のように、複数の動作や条件、結果をまとめると、文法的には正しくても情報量の多い文になります。
1文が長いと感じたら、読点の数ではなく、「動作・条件・結果がいくつ入っているか」を確認しましょう。
複数の内容が入っている場合は、文を分けるか、手順だけを箇条書きにすると読みやすくなります。
なお、AIっぽい文章の特徴としてよく挙げられる「同じ語尾の連続」は、今回の測定ではそれほど多くありませんでした。
業務テーマの記事20本では、隣り合う文で語尾がそろっていたのは12組に1組(8.3%)です。そのため、語尾の重複は最初に確認する3要素には入れてません。
まとめ
今回の30記事で繰り返し見つかり、推敲で先に確認したいのは次の3要素です。
- 汎用的な抽象表現:作業名や数字、事実など具体的な情報に置き換える
- なくても意味が通る接続詞:削っても意味が変わらないものは外す。指示代名詞も不要なら削る
- 1文に情報を詰め込みすぎる:複数の動作や条件、結果が入っていれば、文を分けたり箇条書きにしたりする
なかでも難しいのが、汎用的な抽象表現の修正です。テーマによって、抽象表現も変わります。
まずは、自分の記事に出やすい癖を把握して、ブランド定義や文体の指示に加えましょう。
一度で完璧に防ごうとせず、出力を見ながら指示を少しずつ修正してください。
最後に人の目で確認し、仕上げのチェックを行いましょう。


